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くすりの正しい飲み方

なぜ水と一緒に飲むのか

一般的に飲み薬は、コップ1杯程度(約200CC)の水、またはぬるま湯で飲むように作られています。ただし、消化酵素剤や消炎酵素剤などのタンパク質でできている薬の場合、あまり熱いお湯で飲むと分解してしまうおそれもあるので注意しましょう。

【水の量とくすりの効き方】
空腹時に、薬をコップ1杯程度の水で飲むのに比べて、少量の水の時は、血液中の薬の濃度の上がり方が悪くなります。

薬を水なしで飲むと溶けにくいので、吸収が遅れ効果が現れにくくなったり、場合によっては、溶けずに便として出てしまうこともあります。薬が効果を十分に発揮するには、薬が溶けて吸収されなければなりません。とくに抗生物質や解熱鎮痛薬などはこの傾向が強いので、適量の水で飲むようにしましょう。

錠剤やカプセル剤を水なしで飲むと、食道に引っかかったり、くっついたりすることがあります。そうすると、その場で溶けてしまうことで、食道潰瘍を起こしてしまう場合もあります。また、粉薬などでは、気管から肺に入ってしまい、肺炎を起こした例もあります。

水以外の飲料とくすり

◆清涼飲料水や牛乳の場合
コーラやジュース、牛乳などで薬を飲むと、薬の成分にもよりますが、一般的には吸収が遅くなったり、悪くなったりして、効果も薄まる傾向がみられます。緊急の場合を除いては、水以外のものでは飲まない方がよいでしょう。

【くすりを水とコーラで飲んだ場合の効き方の違い】
薬をコーラで飲むと、水で飲むのに比べて、血液中の薬の濃度の上がり方が遅くなります。

◆グレープフルーツジュースの場合
グレープフルーツジュースで血圧降下薬(カルシウム拮抗薬)などを飲むと、薬の分解が抑えられて作用が強く出てしまうことがあります。ジュースだけでなく、グレープフルーツの実を食べても、同様の作用が出てしまいます。この作用は3日ほど続く場合があります。

これは、グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という物質が薬を分解する小腸の酵素(CYP3A4)の働きを阻害し、薬の分解が遅くなって極端に効き目が強くなってしまうためです。

◆アルコールの場合
薬とアルコールを一緒に摂取すると、肝臓はアルコールを優先的に分解しようとします。そのため薬の分解が遅れ、通常より高い濃度で血液中に入り、結果として強い作用を及ぼしやすくなります。

また、アルコールと同じような作用(眠くなるなど)を持つ精神安定剤や睡眠薬などは、アルコールと一緒だと作用が強まる傾向があります。糖尿病の薬には、低血糖を起こしやすいものもあります。薬は、絶対にアルコールと一緒に飲まないでください。

一般的にアルコールというと、ビール、ウイスキー、ワイン、日本酒などのことを思い浮かべますが、これら以外にも食べ物や飲み物によっては、アルコールを含む物があり、無意識のうちにアルコールを摂取しうる場合があるので注意が必要です。 特に、医薬品として市販されているドリンク剤は高濃度のアルコールを含んでいることが多いので、注意が必要です。

食べ物とくすりについて

◆納豆とワルファリンの場合
納豆といえば、体に良い食品としてよく知られていますが、心筋梗塞や脳梗塞で、ワルファリン(血液を固まりにくくし、血栓を予防する薬)を飲んでいる人には支障があります。

納豆に豊富に含まれているビタミンKには、血液を固める作用があり、ワルファリンとはまったく反対の性質をもっています。したがって、納豆を食べるとワルファリンの効果を弱めてしまうので注意しましょう。1回納豆を食べると納豆菌がお腹のなかで生きていてビタミンKを作るので、3日ほど影響が残る場合があります。

他にも納豆同様、ビタミンKを多く含むホウレンソウ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や海藻類も、大量に食べると支障をきたす場合があるので気をつけましょう。

【ワルファリンと納豆の組み合わせ】
ワルファリン投与開始後10日目に納豆100gを食べたところ、ワルファリンの効果はなくなり、血液を固める度合いが高くなりました。これは3日ほど続きました。

監修:
慶應義塾大学 薬学部 医薬品情報学講座
教授 望月 眞弓先生
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